15日。
ウルムチ市街からバスなどで2時間ほどのところにある天池という湖と山が綺麗で中国のスイスとまで謳われる観光地に行ってみる。
ウルムチを代表する観光地のひとつで、門票も190元と高い。
聞くところによると、「ウルムチに来て天池に行かないのは遺憾であるが、行ったら行ったで後悔する。」という詩がこのあたりの旅人の間で語り継がれている。
たいしたものではない、ということらしい。
そこでユースで知り合った、ヒッチハイク野郎と一緒に天池の逃票にチャレンジしてみることにする。
このヒッチハイク野郎はラサからウルムチまでヒッチハイクだけで移動してきたというつわもので、歳は23歳。さらには広州出身で大学で日本語を専攻していたようで、多少問題はあるが日本語を話すことができる。
日本語検定も1級を取得している。
この男と二人で、日が昇る前の早朝にウルムチのユースから天池に向けて出発。
まずは、北郊バスターミナルへ移動。
まだ公共バスが走っていない時間なので、歩いて移動。
5~6キロほどか。
さらに、北郊バスターミナルから、天池がある町、阜康のバスターミナルへ移動。
バス代10元ほど。一時間ほどで到着。
引き続きそこからさらに、タクシーを拾い天池がある景点へ移動。
15元くらい。
到着したそこは、かなり郊外にあり、大きな門が構えてありそこが入り口となっている。
その入り口で門票を買うのだが、今回はヒッチハイク野郎と逃票にチャレンジするので、正門から入るわけにはいかない。
門の横に工事用の入り口があったので、そこから侵入。
かなりあっけなく門の中に入ることに成功。
門の中では、観光景区内専用のシャトルバスが並んでおり、門票を買った観光客たちを次々と運んでいる。
われわれは逃票で侵入しているので、バスに乗るわけにはいかない。
ひたすら、天池を目指して道路を歩くことになる。
ヒッチハイク野郎の情報によると、およそ、10キロほど歩くことになるという。
まあ、190元払うくらいなら10キロくらいなら歩いてやろうと、道を歩き出す。
ちなみに、逃票をしていたのは我々二人だけのようだ。
かなり目立つがバスが通る道路の脇をひたすら歩き続ける。
バスに乗っている観光客たちにじろじろ見られる。
陽射しもかなり強い。
水も携帯していかなかった我々にはかなり堪える。
数キロほど歩くと、天池への案内板が見えてくる。
「天池 26キロ」
ぶぅっ??!!
10キロくらいじゃないの??
かなり面食らった。
26キロだと徒歩でいったい何時間かかる?
だがいまさら引き返すわけにもいかず、前進するしかなかった。
さらに、道路をしばらくいくと、関所というかまたゲートがあり、徒歩での侵入を阻むカタチとなっている。
当然、門票を持たない我々は、最初の入り口同様、門を迂回して入らなければならない。
迂回するにもかなり急な山に囲まれている。
しかし登るしかない。
正直ここまでくると、逃票を後悔していた。
20キロ以上を炎天下の中、ひたすら歩く上に崖崩れ寸前の山を超えていかなければならない。
しかし、ヒッチハイク野郎はものともせずに崖を登っていく。
当然ロープも無いその崖登りは一歩間違えれば、落下して帰らぬ人になることは必定。
だが、ここまできて引き返すわけにはいかない。
行くしかないのだ。。。
下に見えている白い建物が関所。
苦難を経て、4時間後ほどで、ようやく天池へ到着。
後半、登山用ルートが設置されており、道路での道程を多少短縮できたのは幸いであった。
さて、肝心の天池であるが、まあまあ悪くは無かった。
苦労してたどり着いたのが幸いしたのか、砂漠を彷徨ってオアシスを発見した喜びとでもいえようか。
画像ではあまり綺麗に見えないが、湖の水も結構綺麗で、天池から流れる大きな滝などもあり、結構満足はできた。
さて帰りだが、どうする?
また、20キロ以上歩いて帰るのか?
さすがに、帰りは、帰りのバス代だけ払って帰ることにした。
もちろん、門票はなぜ持って無い?などと聞かれるが、紛失した、とかガイドと一緒にツアーできたがはぐれてしまって、持って無いとか説明し、なんとかバスで帰ることができた。
帰りの街のバスターミナルからの道程では、警察の検閲に引っかかってバスを止められてしまい、30分以上ロスしてしまった。
やはり、ウルムチの警備は厳しいようである。
その後はユースにもどり、近くの夜市で羊肉串などで乾杯。
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