2011/08/03

大理で再び登山

大理の夜、薄暗いラウンジで一人まったりビールを飲んでいると、ひとりの若い中国人女性が話しかけてくる。
聞くと、6月ころより広州から、桂林~雲南にかけて旅をしていて、とくに桂林では一ヶ月以上滞在して、ずっと山登りなどをしていたというかなりの山ガールのようである。
そして、ここ大理でも蒼山という山があるので登りにきたのだという。
小生はすでに蒼山には登ったのであるが、前回は天気が悪く景色がよくみえなかったことを伝え、翌日、朝7時より一緒に登る約束をして、その子は足早に床についた。(その山ガールは別のドミトリー部屋)
しかし、小生はというと、夜遊びから宿に帰ってきた連中の飲み会に合流。
中国語ぺらぺらのドイツ人を含め10人くらいで飲みまくる。
このときは、日本語を選考している中国人女学生もいて、大いに盛り上がった。

さて、翌日、小生は気合を入れて早起きをする。
6時半ころには目を覚まし、山登りの装備など準備を始める。
そして約束の7時になるが、彼女は起きてこない。。。 まさかの寝坊?それともすっぽかされたか? 昨夜に連中と飲み明かしているところを、彼女がトイレをする時などに見られていたので、行かないのだろうと思われたのだろうか? 時間が刻々と過ぎる。
まあ、彼女が来なくても、せっかく装備も整えたのでひとりで登ろう、と思い、念のため、8時まで待ってから出発しようと思ってラウンジで待機。

8時を過ぎた。
・・・出発するか。。 いや、あと5分くらいは待ってみる? と思っていたら、彼女が眠り眼をこすりながら部屋から出てきた。
待機していた小生の姿を見とめると
「ごめんなさい、すぐに準備します。」
言いながら、朝の身支度を始めだした。 ひとりでのさびしい登山にならずに、ほっとする。
結局出発は8時半をかなり過ぎた頃になる。

二人は、宿から歩いて30分ほどのところにある蒼山へと向かった。


この日は天気がすごくよかった。
彼女の装備は軽装で、靴は布製で靴下は履いていなかった。
また、顔が細いからと普段から伊達めがねもかけている。 小生は一応、ジャンバーを携帯し、そして念のために折りたたみの傘も積んできた。 前回は、少し登り始めただけですぐに雨が降ってしまい、なかなか登り進めることすらできなかった。
また、その時一緒に登った中国人女性の方が、体力がなく、登るペースがかなり遅れていた。
だが今回は違う。
彼女の登るペースは非常に早く、小生の方が疲れてしまい、ぜいぜい言ってしまう。
2時間くらいで山の中腹まで登ってしまった。
中腹までいくと、さらにそれぞれ、見所となる各所があったが、いくつかは閉鎖されていたため、行ける所のみ制覇する。
とくに龍眼洞(ドラゴンアイケーブ)と呼ばれるいかにも凄そうなところがあり行って見る。


そこには絶壁に、頼りなさそうな細い石の梯子が掛けてあり、その先に仙人の祠のようなところがみえる。
その細い石の梯子の下は、奈落の底だ。
右手に岩壁がある以外に左手は柵もなく吹き抜けであり、落ちたらいっかんの終わりだ。
彼女は、恐れることなく、さっさと進む。
おお、さすが山ガール!
と思いながらも、ここで小生がためらって行かなかったら恥じだぞこりゃあ、と意を決して渡る。
その先は、もっと怖い、奈落の階段がある。
階段といっても、形はかなり不ぞろいで40センチほどの幅のこれまた左手は柵もない奈落。
昨夜の雨で足元も滑りやすい。
しかし、彼女は、ためらいも無くあがって行く。
「う、うそだろぉう?!」
しかし、小生もためらってなどいられない。
続いて登っていく。

その先には、かなり怖いが絶景が広がっていた。
岩作りのまさに仙人の祠。
そして、大理の町と、遠くにみえる洱海をも一望できる。
さすが、ドラゴンアイケーブを謳うだけのことはある。


しばらくそこで、景色を堪能する。
ちなみに、ここまで登ってくる登山客はだれもいなく、ふたりでその場所を占有して楽しんだ。
また、中腹に戻り、山の中をひたすら歩いた。


そのとき、いろいろ彼女の話を聞くことができた。
もともとは、広州から上海へ行き、PCでフラッシュを使ったアニメ動画作成を仕事にしていたとのこと。
彼女の外見、行動からは想像できない。
しかし、上海の生活のストレスがいやになり、広州へもどり、今は、旅先で、バイトをしながら山のぼりや観光をする生活を続けているとのことだ。
また、ヒッチハイクで旅するなど、なかなかのツワモノだ。

さて、山には、野いちごや桃がなっている。
彼女は、無造作に野いちごを摘むと、なんのためらいもなく、それを口に放りこむ。
さすが山ガール。
それを小生にも勧めてくる。


正直、腹を壊したくない小生は、遠慮したが、屈託のない笑顔で勧めてくる彼女を断ることができなかった。
パクリ おお、う、うまい! 甘酸っぱくて、それは確かにイチゴの味であった。
また、彼女は植物の知識が豊富でいろいろと教えてくれた。
さらに珍しい植物の種を見つけると手にとって、持ち帰っていた。 驚いたのは、彼女は山に捨てられたペットボトルなども拾っていたのだ。
念のために書くが、別にペットボトルを集めて金にしようというのではない。山のごみを拾ってきちんと下山後にはゴミ箱へ捨てている。 都市部ではさすがに少なくなったが中国ではまだまだ、ごみを道路の放り捨てる奴が多い。
そんな中での彼女の行動には感動すら覚えた。

それから、彼女としばらく旅を続けることになる。

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